2009年8月11日午前5時7分、覚えている方も多いと思いますが静岡市で震度5強の地震が発生しました。
通勤時にお堀の周りを毎日通っていたので石垣が壊れているのを見て大きな地震だったんだと痛感したことを覚えています。
その日、朝方だったので僕は実家の自分のベッドで眠っていました。
すると突然大きな音と強い揺れが起きてすぐに目が覚めました。
家は大きく揺れて中でも部屋にあったデスクトップのパソコンがガタガタと飛び跳ねるように揺れていたことが印象に残っています。
すぐに『ついに東海大震災が来たんじゃ』と思いました。
ベッドの中で上半身を起こしながら揺れが収まるのを待っていましたが、少ししてから揺れが収まりました。
あの地震を経験したという方はあの時にどのように行動をしましたか?
よく覚えているという人も、もう忘れちゃったよという方も色々だと思います。
が、僕は自分の行動をはっきりと覚えています。
僕は、その時何もできませんでした。
どうしたらいいのかがわからず動くことができなかったのです。
もしかしたら一種のパニックのような状態だったのかもしれません。
何もすることができず部屋で怯えていると、静かに僕の部屋のドアが開きました。
そこにはラジオを片手に持った父が立っていました。
父は『大丈夫か』とか声をかけてくることもなくのそのそと僕の部屋に入ってくると僕の部屋の窓をガラガラと開けました。
そしてまたゆっくり出て行きました。
どうやら家中の窓を開けていたようでした。
その時はその行動の意味もまったくわかりませんでしたが次の日に冷静になってよくよく考えて思いました。
親父すごいなと。
災害が起こった時に何が一番大切なのかはわかりませんがまずは『冷静に行動すること』が一番大切なのではないでしょうか。
当たり前のことだしそんなことは言われなくても重々承知だという方がほとんどだと思います。
僕もそう思います。
しかし、突然の大きな地震や予想外の事故や事件が起こった時に果たして冷静に行動できる人間がどのくらいいるのでしょうか。
普段から訓練を繰り返しているなどの備えがあれば話は別だと思いますがそのような人ばかりではないと思います。
お恥ずかしい話ですが、次の日にネットで地震が起きた時の対応を調べた僕はそこで初めて地震が起こった時は火事になっていないなどの条件もありますが逃げ道を確保するためにすぐに窓を開けなければいけないことを知りました。
地震の時や大きな災害が起きた時はデマもあっという間に広がるそうです。
それだけ人々の心理状態が不安定なのでしょう。
僕が生まれるずっと前から静岡は大きな地震が来ると言われ続けています。
九州の被災された方々はまさか九州に今回のような大きな地震が来るとは思っていなかったという方が多かったのではないでしょうか。
東日本大震災でも日本中の人々が東北にあんな大地震が来るということ、そして津波のエネルギーがまさかあそこまで大きいなんて想像していなかったんじゃないでしょうか。
地震は確かに恐ろしいです。
しかし、地震以外にも予想していなかった大変な出来事や命の危険を脅かすような突然の災いなど、もちろん絶対に起こってはもらいたくはありませんが絶対にないとは言い切れません。
どんな時でも冷静に対応できるように、そして冷静に対応するためにも、できる準備をしっかりとして備えておきたいと思います。